【自己PR・ES・面接の裏技を紹介】ヒキガエルで就職活動を無双した話
これから就活を迎える全ての方へ。
この記事では筆者あずまるの就活体験記を赤裸々に書いています。
読んだ上で少しでも何かが参考になり、就職活動に希望を感じていただけたら幸いです。
就職活動の入り口「エントリーシート(ES)」
受ける会社が決まり「応募するぞ」となったら、まず提出するのがエントリーシート(ES)ですよね。
主に「自己PR」とか「志望理由」とかを書くものです。
これが人事部の審査を通らなかったら面接を受けることすらできません。
この記事を書くにあたって改めて調べてみたところ、企業によりますがESの通過率は概ね50%ほどと言われているようです。
人気企業や有名企業ほど倍率が高く、狭き門となります。
ESの段階でそんなに熾烈な競争が行われてたんですね。
もちろんどの学生も志望企業に合格するために必死です。
そのためESでも自分の良いところをアピールするエピソードを披露します。
- 留学をがんばった
- バイトをがんばった
- 部活・サークルをがんばった
- ゼミをがんばった
- 卒論をがんばった
僕の周りだとこのあたりを書く人がたくさんいました。
というかほとんど全員がこれのどれかだったんじゃないかな…。
インパクトの程度は大なり小なり差はあれど、他人のそういう努力のエピソードは聞くと「ほぇぇすごい」と思ったものです。
一方、当時のぼくはエントリーシートに何を書いたか。
それは「かえるの飼い方」です。
当時、大事に飼っていたヒキガエルの飼育方法について書いたのでした。
ちなみに項目は「自己PR」とか「学生時代がんばったこと」の欄。
周りの人が「部活の大会で優勝」とか「留学中に難関資格を取得」とか言ってる中で僕だけ「かえるの飼育」。
頭が沸いてたんでしょうか。
ただ、結果的にこれは大成功でした。
なんと、かえるの話を書いたESは見事全て審査を合格しました。
僕のヒキガエル愛が伝わったのでしょうか。
それとも人事のみなさんが全員疲れていたんでしょうか。
ただ1つ補足すると、実はヒキガエルの赤ちゃん(つまりオタマジャクシ)が無事に大人に育つ確率は約1〜2%ほどと言われています。
ヒキガエルは10,000個くらい卵を産みますが、9,900匹くらいは残念ながら大人になる途中で命を落としてしまいます。
それを僕は卵から1年後の大人に育てるまでに、生存率6割近い結果を残しました。
(もちろん10,000匹を飼ったわけではなく飼育した母数に対しての数字です。)
どうしたって死んでしまう子ガエルもいたんですが、色々工夫することで生存率を飛躍的に高めました。
その努力を、カエルの飼育という話を通じてPRしたわけです。
実際のところこれがスゴイのかどうかは置いときましょう。
とは言えヒキカエルの生存率なんて知らない大半の人事の方は、「そう言われるとなんかすごい気もする」と思ってくれたことでしょう(そう思いたい)
結果、「なんかおもろいしとりあえず面接に進めとくか」くらいには至ったのだと思っています。
王道のエピソードでライバルと話が被るより、めちゃくちゃスゴくなくても自分らしいニッチなエピソードの方が人には刺さるのでは?という学び。
ここがコツだよ!ESのワンポイントアドバイス
ちなみに僕はただカエルの飼育方法を淡々と文字で書き綴ったわけではありません。
これはみなさんもESを書く際に参考にしていただきたいんですが、僕は「自己PR」や「学生時代がんばったこと」の欄に絵を描いていました。
どんな絵か?
こんな絵です。
アホかと。
決して上手いわけではない、でも最低限何が描いてあるのかはわかる、そんな低予算な絵です。
これを見た友達には「なんでESに落書きしてんの?」と言われました。
「絵が上手いわけではないのに自己PRに絵を描く。」
当時はヤケクソの成せる技でした。
しかし、こんな絵でもESを通ったのです。
なので後から思った、この”絵があること“のメリットを3つお伝えします。
- 人事部の審査員の目を引く。
- 「最低限の画力がある…な…?」と思ってもらえる。
- 「一手間加えて人に何かを伝えようとする創意工夫の才があるな」と思ってもらえる。
実際、中にはこの記事を飛ばし見していても↑の絵には一瞬手が止まって思わず見てしまったという方もいるんではないでしょうか?
残念ながら何千何万のESを1つずつ丁寧に細かく見る人事はいません(と思う)。
であればその中に絵(や写真など)が含まれるESは必然的に目立ち印象に残ります。
また2,3つ目は希望的観測すぎるかもしれませんが、自分のいいところをアピールするのがESの目的なので、少しでもプラスな要素を与え得るならやる価値があります。
いよいよ面接!自己紹介は1行で終わらせない。
ESが通過し、いよいよ面接です。
新卒採用の面接は、概ね1〜2次が「グループ面接」、2〜3次以降が「個人面接」となることが多いです。
1〜2次では他の就活生の話も聞くわけなので、プレッシャーがあります。
そんな中はじまるグループ面接で、あなたはまずこう訊かれます。
「自己紹介をお願いします」
大抵の就活生は「◯◯大学–学部の▲▲です。今日はよろしくお願いいたします」と答えて終わりです。
ただそれを聞いて僕はこう思いました。
ただでさえ一人あたり話すボリュームが限られるのに、貴重な発言機会を名前だけ言って終わっていいのかな…?
そこで僕は自分のターンが来た時にこう答えました。
「◯◯大学–学部のあずまるです。学生時代を通してゼミやサークル、留学などそれぞれで努力した経験はありますが、どれも”やらない後悔よりやる後悔”をモットーに主体的に挑戦してきました。行動力が強みです。よろしくお願いいたします」
実際の言葉尻は若干忘れましたが大体こんな感じでした。
詰め込んだ感ありますね。
ただこれによってどの道あとから訊かれるであろう「あなたのモットーは?」とか「あなたの強みは?」などの質問に対して、ライバルと被る心配なく先んじて伝えることができました。
ゼミやサークルなどの割と一般的な経験も積んできたというアピールもできます。
僕の場合はESがカエルなので「ちゃんと一般的な経験もしてるよアピール」は大事です(一応ちゃんとした人間と思われるために)。
何にせよ僕だけ自己紹介の情報量が多いので、面接官が僕の時だけメモを取る量が多かったのを覚えています。
面接官のメモがライバルより多いとちょっぴり嬉しいですよね。
ついに直接カエルの話へ
面接で話が進んでいくといよいよあの質問を訊かれます。
「あなたが学生時代がんばったことはなんですか?」
みんなはそれに対し「バイト」「ゼミ」「サークル」「留学」などなど、中には就活生同士エピソードが絡んだりしながら答えていきます。
そして僕の番。
面接官が手元のESを見ながら、「では次、、あずまるさんは…カエル…ですか?」
僕だけもはや質問の仕方が違います。
隣の就活生の「??」という顔を無視しつつ、遂にヒキガエルを語る時が来ました。
- ヒキガエルの生存率が低いと言われる中、工夫して6割のカエルを卵から大人にできたこと
- どのような工夫をしたのか(野生下に近い飼育環境の再現、餌となるミリ単位〜数㎝単位の昆虫の採集・調達・繁殖、捕食能力の低い子カエルを他のカエルと分けて育てる、など)
- そこから何を得たのか(目標達成のための主体的な創意工夫、インプットしたことを自分の知識経験と混ぜてアウトプットする力、やる気に左右されない習慣、など)
- それが仕事にどう活きるのか(目標達成や課題解決のために主体的に工夫を凝らし行動できる、様々な知識を結集し形にできる、長期的に努力し続けられる、など)
内容はただ「カエル飼ってたよ」ですが、いかにもそれっぽく構成しました。
それでも、なんせ大好きなカエルの話なので圧倒的に他の就活生よりも生き生きと話せます。
ESと被る内容もありますが、面接の特徴はやっぱりFace to Faceで話すことで、自分の性格や感情、人となりを視覚的にも伝えられることだと思います。
僕の熱意が伝わったのか、面接官も興味を持って色々深掘りしてくれたりもして、お互いに「楽しい」と思えるような会話ができたのが印象的でした。
結果として僕はこれを就活の間中くりかえし、面接でカエルの話ができた企業はほぼ百発百中で合格し、大手上場企業3社から内定をもらったのでした。
それ以外にも、同時進行で選考が進んでいて、就職先が決まった時に辞退した企業が5社ほどありました。
※逆に落ちた選考は主にグループディスカッションやカエルの話ができなかった面接でした。
内定がもらえたうちの1社が第一志望の企業だったので、振り返ればかなり上出来な就活だったと思ううう
【おわりに】実はいま・・・
就活から数年が経ち、不思議な事に僕は今仕事の一環で採用面接に携わっています。
こんなヘンテコリンに面接官をさせるなんて弊社はかなり度胸があります。
ただ面接官の側に立ってみて、自分が就活時代にやってみた上記のあれこれは案外効果的だったことを再認識しました。
就活生からすれば「これから働くかもしれない職場の候補の1つ」かもしれませんが、面接官からすれば「一緒に働く大事な仲間さがし」です。
真剣に本当に大事な仲間を探す時に、ありきたりな自己PRや綺麗事のような志望動機は胸に刺さりません。
それよりもその人自身の性格や趣味嗜好、どういった思想の持ち主か、困難な時にどう行動するのか、など人間味のある情報が非常に気になります。
その人間味はどんな人も必ず持っているものです。
面接ではぜひその人間味を出し切ってみてください。
もちろん出し切ったところで落ちることもありますが、それはあなたの人間味が否定されたわけではなく、単純にその会社と合わなかっただけです。
そんな会社で働いてもあなたが苦しむだけなので落ちても損はありません。
(逆に自分の人間味を押し殺して、よく見せようと取り繕って入社しようものなら後々苦労することになるかもしれません)
いま僕の周りには自分も含め楽しく働いている人が多く、その人たちを見ていて思うのは「楽しく働く・成果を出す・自分らしく働く」というサイクルがうまく回っているということです。
「楽しく働けるか」や「成果を出せるか」は就活の段階では正直まだわかりません。
ただ「自分らしく働けるか」は選考を受けることである程度知ることができます。
就職活動(選考)という段階で自分の人間味を出し切った上で内定をもらえたら、その会社はあなたが自分らしく働けて、ついでに成果も出せて楽しく働けるフィールドである可能性が高いです。
この記事を読んでくれた方に就活を控えている人がいたら、人間味を発揮できる就職活動ができることを応援しています。